お祝い上手になる

2018.09.13 木

お祝い上手

第8話 大倉陶園のカップ/敬老の日に私に

暦を過ぎると、周りに「おばあちゃん」が増えていく。私には気配さえないし、敬われるべき精神的成長も見られない。しかし、体には我ながら敬老の意を表したいと思うときがある。湯のみ茶碗やティーポットにはすぐ茶渋がつくけれど、前回の人間ドッグの内視鏡で見た限り、私の胃腸には茶渋は付いていない。どういうシステムかはわからないけれど、体が毎日休まずうまくやってくれていると思うとしみじみする。
敬老の日にちなみ、自分の体になにかお礼をと選んだのは大倉陶園の「モーニングカップ・ホワイト」だ。コーヒーは体にいいから、というのが理由かというとそうではなく、ずっと欲しかったものの、買い時がついに来た、のだ

「大倉陶園モーニングカップ ホワイト」はカップ&ソーサーのセットで1客¥8,100
カップの口径は約9㎝。容量約285ml

倉陶園で思い出すのは花森安治さんだ。『暮しの手帖』で商品テストをやっていた時代、花森さんの「ものを批判する人はいいものを知っていないといけない」という考えから、編集部には人数分の大倉陶園のティーカップが揃っていて、3時のおやつのときにはみなでそれを使っていたという。そのエピソードも好きだし、デパートの高級食器コーナーで見かけるたびになんてきれいで品のいい器だろうと思っていた。いつかあれでコーヒーを飲んでみたい。でもとりあえずの器は揃っている。買うなら白に金縁の、いちばんシンプルなシリーズの大きなカップと決めてはいたけれど、ずっとタイミングが合わなかった。
それがつい先日同年代の友人の家へ行ったとき、さんざん喋った後「コーヒーでも」と出てきたので驚いた。「このカップは何かの区切りのときや、気分を変えたいとき、気持ちを落ち着かせるときに使っている」という。
友人がカップを買ったのは19歳の時。学生時代にアルバイトをしていた神戸の喫茶店で使っていて、「なんか違う、いいなと思った」のがきっかけだったそう。東北出身で大学デビューの私にはありえない話だが、彼女ならありえる。センスがいいし、ここぞという時のお金の使い方が気持ちのいい人だ。
以来40年、大倉陶園の白いカップは彼女のキッチンにあったわけだが出番が多くなったのは最近のこと。「改めていい白だなあ、と思うようになって」。初めて唇に触れたそのカップは口当たりがとても滑らか。純度の高い金を使用し、ひとつずつ手塗りしているという縁やハンドルの金彩は、たっぷりしていて優雅な気持ちにさせてくれる。
折しも大正7年創業の大倉陶園は来年創業100年を迎えるという。それもなんだか嬉しくて、買うなら今しかないでしょうという気持ちになったのだ。同じ歳で同じようにくたびれているだろう夫の分も合わせて、我が家初のペアセットにしようと思う。



文 田中真理子


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