2016.12.20 火

昭和のおやつ レシピ探偵

第2話 「Winter Flower」

つまいものモンブラン
 「昭和のおやつ・レシピ探偵」第2話は前回に続き、旬の食材を活かしたおやつをご紹介したいと思います。昭和31年の『暮しの手帖・37号』に掲載された「Winter Flower」、さつまいもで作る、モンブランのような、そぼろきんとんのようなお菓子です。
 さつまいも以外の材料は、砂糖、バター、牛乳、そしてカステラとシンプル。作り方もとても簡単です。
 まずはさつまいもを蒸して裏ごし。これに砂糖とバターを加えて練ってもう一度裏ごし。これを牛乳を含ませたカステラの上にトッピングするのですが、レシピは、最後、こうしめくくっています。
「ウラゴシ器の下にパラパラ落ちたおいもの姿をそのままにカステラの上に飾りたいのです。スプーンでそっと、くずさぬように、花の咲いたようにのせます」・「あれば甘く煮た栗、赤いサクラン坊などを上に飾ると可愛くなります」
 大先輩たちに失礼ないい方を許していただければ、この文章の方が、サクラン坊よりも、かわいい。

Winter Flowerレシピ

「Winter Flower」。写真を拡大すると、材料や作り方をお読みいただけます。

 

の花?
 winterもflowerもともにベーシックな英単語とはいえ、よく見るとこのページには日本語の見出しがありません。60年前にはかなり珍しいことだったのではないかと思います。しかしガラスの器に盛られたおいもからは、モノクロ写真であるにもかかわらず、柔らかな色あいや、やさしい口当たりが伝わってきます。Winter Flowerとは、降りつもった新雪のようすを花に喩えたのかもしれない、とイメージも広がっていきます。「これは作ってみたい!」。60年前の読者の方もきっと同じだったに違いありません。

おやつの時間

朝の連続ドラマ『とと姉ちゃん』で有名になったホットケーキのレシピを『暮しの手帖』で紹介したのも、門倉國彦さんです。

 

ごしで変身
 レシピに添って実際に作ってみて、ちょっとたいへんだったのは裏ごしです。蒸したさつまいもはむっちりしていて裏ごしには力がいるのです。でも、細かな網目を2度通したさつまいもは、きめ細やか。空気を含み、ほんとうにふっくら変身します。手間をかけただけのことはあると実感しました。レシピのように牛乳に浸し、しっとりさせたカステラとの相性もいいけれど、さつまいもだけでもおいしい。バニラアイスクリームとのコンビもよさそうです。

Winter Flower

ロマンチックな名前のおやつは、さつまいもとバターと砂糖の、まじりけのない味でした。

材料一覧

5人前の材料は、さつまいも50匁(約190g)に対してバター大さじ1(18cc)、砂糖カップ1/3(60cc)。それに牛乳とカステラです。

 

  倉國彦さん
 このページは「おやつの時間」というシリーズの第2回で、銀座コロンバンの門倉國彦さんが担当してくださっています。
 
門倉さんは大正10年に菓子製造視察研究を志してフランスに渡り、昭和6年、銀座に「銀座コロンバン」をオープンした方です。門倉さんが『暮しの手帖』で紹介しているレシピはどれも家庭向け。とても親しみやすいけれど、当時の花形のパティシエは実際どんな方だったのでしょう。今となってはお会いすることはかないませんが、レシピは残っています。このコラムでもまた再現させていただこうと思います。 
 



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