2016.06.15 水

鎭子さんの時代

第8話 「日本紀行」と飛騨の家具

 

 現在『暮しの手帖』で連載中の「今日のお買い物」。日本各地を旅し、その土地で出会った人たちの暮らしや名物を紹介する編集者・岡本仁さんの視点が好きで、毎号楽しみにしている方も多いかと思いますが、昭和30年代にも人気を博した紀行連載がありました。昭和38年秋号から始まった「日本紀行」です。毎回20ページほどを費やしてひとつの町のいとなみをクローズアップした特集は、花森安治さん自らが率先して取材。猛スピードで変化する日本を洞察してテーマを追い、カラー写真にモノクロ写真を効果的におりまぜた構成は、『暮しの手帖』のどの企画にも力が入っていたとはいえ、抜きんでた力作のひとつと思えます。

 

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「山のむこうの町」と題された飛騨高山の特集。高山の和ろうそくが表紙に。1963年はNHKで「新日本紀行」がスタートした年でもあります。

 

 

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春慶塗りや曲げ木の椅子、ざるやかごなど匠の技や手仕事を紹介。              右下が飛騨産業製作の椅子。

 


 「日本紀行」で最初に取り上げたのは花森さんが生まれ育った神戸、そして第2回が飛騨高山でした。前置きがちょっと長くなりましたが、 『暮しの手帖』と飛騨高山は以来つながりができ、現在グリーンショップで商品を扱っている家具メーカー「飛驒産業」とのご縁もそこから始まったのです。


 花森さんは飛騨の家具職人がつくる椅子やテーブルを編集部や自宅で使ってその実用性や丈夫さを実感、1974年秋号の誌面で紹介しました。後年鎭子さんが「自分用にあったら便利」と発案した机の共同開発を依頼したのも飛驒産業でした。これらは現在も「ウインザー家具」「だんだん増やしていく椅子」そして「奥行のせまい机」としてグリーンショップでもロングセラーを続けています。

 

 

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暮しの手帖編集室ではウインザーチェアなど飛騨産業の椅子に座って仕事をしていました。花森さんの「ものを批判する人はいいものを使って知っていないといけない」という考えを実践していたのです。

 

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1974年冬号では「だんだんふやしていく椅子」として「穂高シリーズ」を紹介。お仕着せの応接セットではなく、それぞれの家庭や家族に合わせて家具を選ぶことを提案しています。

 

 

 しかし家具類はお値段が張ります。実物を見たり実際に座ったりして購入を決めるにこしたことはありません。通販ではそれがかなわないのが気がかりでいたのですが、現在初の試みとして全国6カ所の飛驒産業のショールームでこれらの家具を特別展示してご覧いただいています。特設コーナーでは合わせて花森さんが手がけた表紙の複製画や、カット画をあしらった生活雑貨もご紹介しています。ぜひこの機会にご来場いただければと思います!

 

 

 

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東京・虎ノ門にある飛騨産業のショールーム。「飛騨の家具館」のロゴは花森さんが書いた字をもとにしています。

 

 

 

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特設コーナーです。壁際の「奥行のせまい机」は最初『暮しの手帖』にDIY企画として登場(1981年)。商品化につながりました。「だんだん増やしていく椅子(穂高シリーズ)」は3代で使い続けているご家庭もあるそう。

 

 

 

 

※「飛騨産業」ショルームの情報はこちらから。https://kitutuki.co.jp/showroom


 
 

(田中真理子 文)

 

 



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